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シジュウカラの巣立ち

シジュウカラの巣立ちは、孵化から16~20日と言われています。



お父さんが小さな餌を運び始めた日を、孵化した日として、最短で5月6日ということになりますが、もしかしたら前日、わたしが不在だった間に餌を運び始めた可能性もあるので、5月5日から注意しておこうと思っていました。





巣立ちが近づくと、お父さんとお母さんは、エサをすぐにやらずに遠くから見せて、鳴いて、ヒナたちに外の世界を見せ始めます。


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お父さん






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ホオジロ「ラララ~🎵」
こちらは、楽しそうに鳴いているホオジロさんを横に、電線の上から真剣に巣箱を見つめるお父さん。
アリとキリギリスのようですね(笑)。







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お母さん

お母さんは、エサも持たずに、巣箱の前にいる時間が増えました。
ヒナたちの巣立ちのタイミングを考えているのでしょう。
巣立ち直前は、多くの天敵が雛を狙っています。
巣箱にいるほうが安全なのか、出てきたほうが安全なのか・・。



餌を持ってくるときは「ピイ!」と鳴いて、子供たちに知らせ、外を見せます。
巣箱の前で羽を震わせて、飛び方を教えているようです。






5月4日、わたしは5時半から観察を始めました(ヒマ人~)。
巣立ち直前になると、親たちがエサを運ぶ回数がとても増えて、1分に1回くらいと聞いていましたが、この巣箱では、そこまで多くありません。
ヒナが8羽ほどいるとそのような頻度になるようですが、おそらくここでは、ヒナの数がそこまで多くないのだと思いました。
推定4~5羽・・?



しかし、巣立ちの際、エサでつろうとしているのか、身軽に飛び立つ為の調整なのか、ごはんを減らされているようなヒナたち・・。
がまんできずに顔をだしました。
初めて見るヒナでした。

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「おとうさ~ん!おかあさ~ん!ごはん~~!」


この頃にはとても大きな声で鳴くので、親たちもヒナが天敵に見つかることを恐れているようです。
何しろこのヒナたちは怖いことなんて知りません。
ホオジロさんや、時にはヒナを襲うことがあるスズメの声にも反応して、「ハ~イ!ぼくここにいま~す!」なんて大きな声で返事をするものですから(笑)、親たちも気が気じゃないでしょう。




お父さん雛
お父さん「シーッ、まだ出てきちゃいけないよ・・」

お父さんが慌てて餌を持ってきました。
まだ巣立ちのタイミングではないようです。







そして、5月5日の子供の日。
昨日1日観察した甲斐もあって、巣立ちのタイミングがわかりました。
それまで、お母さんは巣箱の目の前のとまり木に立つとき、巣箱の方向を向いていました。
でもその時は、進行方向を見ていたのです。
「巣立ちだ!!」そう確信したわたしは、カメラを構えました。




お父さんは電線あたりから鳴いて、お母さんは巣箱の少し前からエサを見せて、子供たちを外の世界に誘います。
お母さんの声は優しく、そして時に厳しく。
「出てこないと、生きられないのよ!出てきなさい!」と言っているような強い鳴き声の時もあります。
そのすべてに愛情を感じます。



さすがに1羽目はなかなか決心がつかず、戸惑っていましたが・・。


巣立ち1
「こ、こわいよ~」



お父さん、お母さんの励ましを受けながら、ついに・・。
巣立ち①
「えいっ!」

飛んだ~!!
大興奮です!!





2羽以降は比較的早く出てきました。
巣立ち②
「よいしょ、よいしょ」
この子はすごく太っていて、もう少しで巣箱から出られなくなったのでは?と思いました。






3羽目。
シジュウカラはとてもきれい好きで、ヒナが飛び立つ時に落としたフンも、お母さんがくわえて捨てに行きます。

巣立ち③
「お、おかあさ~ん!」
この子はお父さん似ですね。



先に巣立った子は、少しずつ移動して、お父さんとお母さんはその子たちも見ながら次の子を誘導し、大わらわです。
巣立った子を木に誘導して、またエサ取って、フン捨てて、巣箱の前で誘い出して・・。
こんなヨチヨチの、まだ飛べない子、天敵はいつも狙っています。

4羽目。
巣立ち④
「まって~おかあさ~ん!」


1羽目のヒナが巣立ってから、最後の子が出るまで約4分でした。
遊びに来ていたお友達と、タイミングよく3人+2パグで見ることができました。


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「こ、ここは・・」
後頭部のポヤポヤの毛がかわいい!!








しばらく、両親の声とヒナたちの声で大騒動していましたが、そのうち声も聞こえなくなって、みんなで森の中に消えていきました・・。
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姿は見えなくても、声が聞こえなくても、すぐそばの森の中にいる・・。
それはなんだか、なこも同じであると言われているような気がして・・。




これでお別れだけど、お別れじゃない。
これは確かに、始まりなのだ。
そう感じた、感動の巣立ちでした。







しかし、この話には続きがあって・・。
巣立ちの翌朝、早く目が覚めたわたしは、「もう今日から来ないんだな・・」と思いながら、巣箱を見ました。
すると、なんとおかあさんが巣箱の前で、羽を羽ばたかせています。
しばらくすると、今度は虫を持ってきて、巣箱の中に見せているのです。

昨日みんな巣立ったはずなのに・・!


耳を澄ますと、中からピーピーという鳴き声(おそらく1羽)と、巣箱からコツコツという音が聞こえてきます。
もう1羽残っていたのです。

お母さんは巣立ちを促す行動をしていましたが、やがて飛び去って行きました。
そして、もう戻ってきませんでした。

中にいるヒナは、ごはんももらえず鳴いています。
このヒナは、どうなってしまうのでしょう。
その日、何度も見ていましたが、お父さんもお母さんも来ている様子はなく・・。
夕方、ヒナの声は聞こえなくなっていました。

先に巣立った4羽だって、天敵に狙われてとても危なっかしい状態のはずです。
お父さんやお母さんは、そちらにかかりっきりなのでしょう。
お母さんが、この子の巣立ちにかかりきりになっていたら、4羽はその間に命を落とすかもしれない・・。

お母さんは、この子を置いていくことを選んだのだ。
わたしは、かわいいヒナを置いていく親の気持ちを考えると、泣けて泣けて仕方がなかった。
巣箱を開けてヒナを育てたいとも思ったけれど、そんなことをして生き残ったとして、エサの取り方や野生で生きていく方法を、だれが教えることができるだろう・・。
親が育てるしか、この子が生きる道はないのだ。

これが、野生の厳しさなのだ・・。


その後も親鳥を見ることはなく、次の日巣箱からは何も聞こえませんでした。
わたしは、万に一つ、巣立ちの可能性がある期間は巣箱をそのままにして、ついにある日、巣箱を開けることにしました。

きっと中ではヒナが死んでいるから、この両親や兄弟と過ごした木の下に埋めてあげよう・・。
感動の巣立ちで終わったはずだったのに、やはり自然は厳しい・・。
そう思い、とても緊張しながら巣箱を開けました。


すると・・。




ヒナは、いませんでした。
全員が、巣立っていました!!





嬉しくてたまりませんでした。
親鳥がいつの間にか迎えに来たのでしょう。
親鳥は、1羽残されたヒナを、見捨てなかったのです。



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巣は、出して初めて見ました。
無精卵なのか、孵らなかった卵がひとつだけあって、それは、残っていたヒナが、ヘビに飲まれたわけじゃないことを示しているようでした(あの後ヘビが来たのなら、卵も飲んでいくからです)。

フンひとつない、きれいなきれいな巣でした。
どこから持ってきたのか、犬の毛や、オレンジや青の毛糸、結び目のある白い糸(なんか縁起がいいですね)も材料になっていました。


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ほっとして、感動して、すごくすごくいい気持ちでした。




雨の日も風の日も、ヒナを守り、育てたシジュウカラの夫婦。
最終的にはヒナが自分一人で生きていくため・・。
優しさと厳しさを併せ持つ、深い愛情を感じました。


これからは親子で1か月ほど暮らし、エサの取り方や様々な生きていく知恵を教わって、自立していきます。



シジュウカラの卵が産まれて、巣立ちに至るのは40~83%。
巣立ち鳥の平均寿命は10か月。
成鳥になれた鳥の平均寿命は1年5か月と書いてありました。

そんなにも、野生の世界は厳しいのです。
短い(人間からすれば)一生、迷う時間もなく、生まれたら生きるのが当たり前。
そんな、強く優しく潔い、シジュウカラの暮らしを見せてもらった約2か月間。



シジュウカラは、野生の鳥。
わたしにできることは、何にもありませんでした。
ただ、見ているだけでした。



それでも、心はたくさん揺さぶられて、いろんなことを感じました。
花につく虫はいやだと思っていたけど、その虫でこんなにかわいいヒナが育っていくこと。
この世界に、いらないものなんて、ひとつもないんだってこと。

そしてシジュウカラを狙うものたちも、生きていかなければならないこと。




ありがとう、シジュウカラの家族たち。
元気に生きてくれることを、願ってやみません。




(おまけ)
シジュウカラの巣立ち後、次のペアが入居したいと考えていたようで・・。
わたしが巣箱を取り外した翌朝、夫婦で見に来て、オスがメスを待たせて、巣箱のところに来て、びっくり仰天!!
「巣箱がない!!確か、この前までここに・・」
とピッキュ!シャシャ!と鳴いて去っていきました。
メスを連れてきて、「ぼくたちの新居だよ~見て~」と来たのに・・。
恥をかかせてしまいました(苦)。

洗って干して、もう取り付けたよ~。





長文を読んでくださって、ありがとうございました。

9件のコメント

[C4280]

何度も何度もこの記事を読んだよ。
感動だったぁ・・
それぞれの巣立ちの瞬間が蘇ってきてまた感動してきた(汗)
そしてまだあれからのエピソードがあったなんてね!
野鳥の命の短さにはショックだけど、、皆が元気に命をまっとうしてほしいネ!
またいつか新しい家族がきて新しい命が誕生して・・
ハナハウスのお庭、これからも楽しみダ!
  • 2014-05-12
  • 投稿者 : makichi
  • URL
  • 編集

[C4281]

ドキドキしながら読みました。みんな巣立ったのですね、良かった~
私の家のガレージに毎年来る燕を思い出しました。
皆が大きくなって来ると押されて巣から落ちるヒナがいます。
人間の手で巣に戻してあげてもまた落ちています。同じヒナと思われます。
育てようとしたけど、結局死んでしまいました。
可哀想ですが人間の力ではどうにも出来ませんでした。
ここで踏ん張れない子は厳しい自然界では生きて行かれないのでしょう。
それだけに巣から出て近くへ飛び始めるのを見ると喜びもひとしおです。
皆が巣立って少し崩れた巣を見ると少し淋しいですが、なんとちゃっかり
ちょこっとだけ手入れをして再利用している燕もいるんですよ。
どこの世界にもちゃっかりさんがいますね(笑)

鳥の巣、色々な毛が混ざっているんですね。初めてアップで見ました。
結び目のある糸、ハートみたいで可愛いですね。
  • 2014-05-13
  • 投稿者 : tomoshiba
  • URL
  • 編集

[C4282] makichiさんへ

一緒にいい体験ができて、本当にうれしかったよ。
巣立ちの動画、何度も見てるよ。
翌日ヒナが残っているとわかってから、巣箱を開けるまでは、本当に不安だったけど、ヒナがいなくてみんな巣立ったとわかった時は、本当にうれしかった・・。
あれからも、朝窓を開けて、巣箱を見るのはわたしの日課になってるよ。
またいつか、あの巣立った子たちが、戻ってきてくれたらうれしいな。
  • 2014-05-13
  • 投稿者 :
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[C4283] tomoshibaさんへ

コメントありがとうございます。
tomoshibaさんも、ヒナを育てようとした経験をお持ちなんですね。
全員は生き残れないからこそ、鳥にはたくさんの子が生まれるのでしょう。
強いものだけが生き残るのが動物の世界ですが、ずっと見ているとかわいくて、つい助けたくなりますね。
犬たちとは距離感が違う、また新鮮な体験でした。
それでも、犬たちもまた、生に対する潔さは持っていると思いました。
動物から学ぶことって多いですね。
今までにも、この鳥を見かけることはあったはずなのに、今年は縁がつながって、特別な存在になりました・・。
あの糸は、見つけてすごく嬉しかったです♪
  • 2014-05-13
  • 投稿者 :
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  • 編集

[C4284]

最後は巣が空で良かった(^○^)
みんな無事に巣だったんですね。
自然の中で生きるのはやはり大変ですね。厳しい( ̄▽ ̄)
ドキドキしながらもありのままを受け止めようとするまいさんの強さがすごいと思います。
私だったら・・・・・途中で目を背けると思います(^_^;)
  • 2014-05-13
  • 投稿者 : 275
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[C4285]

そんなにも短いのですね・・

実は昨日、ある預かりのペキニーズちゃんが里親に募集の前に臍ヘルニアと避妊手術の時に麻酔で亡くなってしまったそうです。

それまでそのブログを楽しく拝見していたので、ショックを受けてしまいました。

昨日まで元気な様子でいたのに・・

本当に時間を無駄にしてはいけないなと思いました。
最後だとわかっていたならという格言?の文を思い出してしまいました。
  • 2014-05-14
  • 投稿者 : 村上
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[C4286] 275さんへ

コメントありがとうございます。
みんな巣立っていて、本当に嬉しかったです。
それがわかるまでは、半分以上だめかもと思っていたので、憂鬱な日々でした。
でもこの出来事のおかげで、ただの巣立ちではなく、一層深い学びになりました。
巣立った後が、自然界での本当の闘いなのでしょうけれど、わたしはそれを目撃することはありません。
それでも、毎朝窓を開け、シジュウカラの姿と声を探しています・・。
  • 2014-05-14
  • 投稿者 :
  • URL
  • 編集

[C4287] 村上さんへ

コメントありがとうございます。
そうでしたか・・。
本当に、いつどんなタイミングで亡くなるか、誰にもわかりませんね。
動物たちは、どんな時もそれを恐れていないことが、すごいなっていつも思います。
人間も、いつその時が来ても後悔しないような日々を過ごしたいですね。
  • 2014-05-14
  • 投稿者 : まい
  • URL
  • 編集

[C4359]

この文は届きますかね?
今は2017年ですし(^^;)

我が家も今日全てのシジュウカラが巣立ちました
全員一緒では無く、昨日最後の1羽が巣立ったようです
まだ、巣を広げてませんが・・

なんか賑やかだったのに、寂しくて寂しくてたまりません

我が家は戸袋に巣を作りましたが、片付けたら また次のシジュウカラが来てくれるかなぁ

グーグルで検索したら、このブログを発見しました(^^)

これから元気に過ごし欲しい気持ちと、今は寂しい気持ちでいっぱいで

シジュウカラの色も形も知らなかった私が、今回の巣作りで シジュウカラが大好きになりました

2014年のブログにコメントさせて頂いきました( ^ω^ )♪
素敵なブログですね♡
  • 2017-06-07
  • 投稿者 : しーまま
  • URL
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プロフィール

まい

Author:まい
福岡県に住んでいます。                   自然がいっぱいのハナハウスに                なこと暮らしています。 

なこ

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2010年5月1日、ハナと同じ所                  から、黒パグの菜子(なこ)を迎え                  ました。この日を誕生日に。名前は、ハナの「ナ」をもらいました。    7歳です。                        5.9kgです。                          好きな食べ物:バナナ、パン    趣味:園芸  毎週火曜日に、犬の中学に通っています。植物係です。好きな教科:体育            現在お休みしています。        2012年7月7日、お星様になりました。享年7歳。

ハナ

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5.6キロのちびパグ ハナです。  誕生日:うちに来た11月3日。                理想のタイプ・・・ムシャさん。    将来の夢は、空を飛ぶことと、コーヒーショップの店員でした。           2010年2月17日、8歳で虹の橋へ。 今は天国でふかし芋を食べています。

ももおばあちゃん

1211679305.jpg
2007年2月、知人より、                     10歳だったももおばあちゃんを                   預かりました。                           同年9月24日、虹の橋へ。                     わたしの人生の転機となった、重要人物。口癖:「まいちゃんは、もっと女らしくしないと」特技:無駄なジャンプ。        

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